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- コラム
2026.08.17
台風・秋雨のあとにやるべき建物点検|火災保険で直せる被害の見分け方
2026年版
台風のあと、
火災保険で直せる被害と
直せない被害
分かれ目は「壊れ方」と記録の順番です。直してしまう前に、やっておくことがあります。
名和建装株式会社 MEIWA KENSOU|名古屋市昭和区・創業1988年
01
台風被害の修繕は、直す前に「撮る」が先
台風が過ぎた翌朝、雨樋が外れていた。看板が傾いていた。倉庫の天井に雨染みが出ていた——そこで多くの方が最初にすることは「業者を呼ぶ」です。順番としては、半分だけ正解です。
火災保険の風災補償を使えるかどうかは、「その台風によって壊れた」と説明できるかで決まります。説明の材料になるのは現場の状態そのものですから、補修してしまえば材料は消えます。急いで直したせいで補償を受けられなかった、というのは実際に起きます。順番はこうです。
撮る(被害箇所を日付つきで)
全景・中景・近景の3段階で。飛散物や落下物も、片付ける前に撮っておきます。
自分で保険会社・代理店に連絡する
業者に代行させない。ここが後述するトラブルの分岐点になります。
現地を見た会社から見積を取る
写真だけで金額を出す会社より、実際に上って診た会社の見積のほうが、保険会社への説明にも耐えます。
02
9月は上陸数が年間で最も多い——点検は「台風のたび」に
気象庁の平年値(1991〜2020年の30年平均)では、日本への台風の上陸数は9月が1.0個で年間最多。8月の0.9個をわずかに上回ります。接近数は8月・9月がともに3.3個で並び、10月に入ると1.7個へ落ちます。
出典:気象庁「台風の平年値」(1991〜2020年平均)
つまり夏の台風をやり過ごしても、建物にとって本番はこれからです。しかも秋は台風だけではありません。秋雨前線が居座れば、弱い雨が何日も続きます。強風で開いた小さな隙間に、長雨がじわじわ水を送り込む——これが秋の建物被害の典型的な進み方です。
台風のあとに屋内で異常が出るまでには、たいてい時間差があります。強風で棟包みの釘が緩んだ日には何も起きず、2週間後の秋雨で天井にシミが出る。このとき「先月の台風が原因です」と言えるかどうかは、台風の直後に外周を一周して撮った写真があるかで決まります。
点検は年1回ではなく、大きな台風が通過するたびに。工場・店舗であれば30分の外周点検で足ります。点検項目そのものは台風前の防水点検チェックリストと共通なので、同じ順路をもう一度回ってください。
03
火災保険で直せる被害は「壊れ方」でほぼ見分けられる
火災保険の風災・雹災・水災といった補償は、「突発的な自然の力で壊れたもの」を対象にしています。逆に言えば、時間をかけて劣化したものは対象外です。この線引きは、現場では驚くほどはっきり見た目に出ます。
対象になりやすい壊れ方
・棟包み・ケラバ・水切りなど板金が飛んだ・めくれた
・折板屋根のボルトキャップや採光板が飛散した
・雨樋が割れた・外れた・落ちた
・袖看板やテントがねじれた・落下した
・飛来物でガラス・シャッター・外壁がへこんだ
・シート防水が風でめくれ上がった
対象になりにくい壊れ方
・シーリングの肉やせ・ひび割れ(全周にわたる)
・防水層のチョーキング・膨れ・細かいひび
・折板屋根ボルトの広範囲のサビ
・何年も前から続いている雨染み
・落ち葉や泥の堆積による排水詰まり
・そもそもの施工不良が原因の漏水
見分けのコツは「破断面が新しいか」です。台風で折れた金物の断面は光ります。サビが回っていれば、それは以前から壊れていた証拠です。同じ雨樋の破損でも、割れ口が白く鋭ければ風災、変色して脆くなっていれば経年劣化と判断されます。
もともと傷んでいた箇所に、台風がとどめを刺したケースです。この場合「経年劣化」と一蹴されることもあれば、風災として認定されることもあります。分けるのは、次の章の記録です。
04
グレーゾーンを決めるのは、時系列でつながる記録
保険会社が見たいのは「いつの、どの風雨で、どこが、どう壊れたか」。以下をタップで開き、揃っているか確認してください。
① 全景→中景→近景の3段階で撮る
建物全体のどこの話かが分かる1枚、被害箇所とその周囲が入る1枚、破断面が分かる1枚。近景だけだと「どこの写真か分からない」と差し戻されます。
② 撮影日時が残る形で撮る
スマートフォンの日時設定が正しいか確認を。撮影データに日時が入ります。念のため、その日の新聞やスマホの日付表示を一緒に写し込む方法も有効です。
③ 「壊れる前」の写真を持っておく
グレーゾーンで最も効くのがこれです。定期点検の写真、工事完了時の写真、日常の何気ない外観写真でもかまいません。「台風前は無傷だった」を示せる材料があるかどうかで結論が変わります。年1回、外周を撮っておくだけで資産になります。
④ 応急処置は「前・後」を撮る
養生前の状態、養生後の状態の両方を。応急処置にかかった費用の領収書も保管してください。
⑤ 壊れた部材は捨てずに取っておく
飛んだ板金、割れたボルトキャップ、落ちた看板の金具。破断面が実物で確認できると判断が早くなります。安全上どうしても保管できないものは、複数の角度から撮っておきます。
⑥ 請求できる期間は3年(保険法第95条)
保険給付を請求する権利は、行使できる時から3年で時効消滅します(日本損害保険協会「損害保険Q&A」)。数年前の台風で壊れたまま放置している箇所があるなら、まだ間に合う可能性があります。ただし放置期間が長いほど「その後の経年劣化」との切り分けは難しくなります。
05
工場・店舗は「罹災証明書」ではなく「被災証明書」です
意外と知られていないのが、被害を公的に証明する書類の呼び分けです。名古屋市の場合、対象が住まいかどうかで書類の名前が変わります。工場・倉庫・店舗・事務所といった事業用の建物は「非住家」にあたるため、申請するのは罹災証明書ではありません。
罹災証明書
住家が対象。被害の程度を証明します。申請できるのは世帯主または同一世帯の方。
被災証明書(事業用はこちら)
非住家が対象。工場・店舗・倉庫など。申請できるのは非住家の所有者です。
被災届出証明書
建物以外の不動産・動産(車、カーポート、家財など)が対象。被害の程度までは証明されません。
申請窓口は、被害を受けた建物が所在する区の区役所総務課。必要になるのは本人確認書類、非住家の所有権が確認できる資料、代理申請なら委任状、そして被害の写真です。ここでも写真が求められます。撮影が最初にくる理由がお分かりいただけると思います。
出典:名古屋市「罹災証明書等の交付」(2026年8月10日時点)。手続きの詳細や必要書類は自治体により異なります。名古屋市以外の愛知県内の市町村では、各市町村の窓口へご確認ください。
06
秋は「保険金を使って無料で直せます」の勧誘が増えます
台風のあと、頼んでもいないのに「近くで工事をしている者です。屋根が浮いていましたよ」と訪ねてくる業者がいます。国民生活センターは「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!という注意喚起を公表し、勧誘・契約が増える秋の台風シーズンは特に注意と呼びかけています。
誤解のないように申し添えると、施工会社が被害状況の写真や調査報告書を作成すること自体は、まったく問題のない通常の業務です。線を越えるのは、保険金の請求手続きそのものを代行し、成功報酬を取る行為です。この違いを説明できない相手とは、契約しないでください。
07
台風被害の復旧にかかる費用の目安
保険が使えるかどうかにかかわらず、まず金額感を持っておくと判断が速くなります。一般的な市場相場の目安です(2026年8月10日時点・Web掲載の複数業者価格より)。
雨樋の部分補修・部分交換
1〜5万円/軒樋の設置は3,000〜7,000円/m
工期:半日〜1日 ※高所は足場が別途
棟板金(棟包み)の交換
2,500〜6,000円/m
工期:1〜2日 ※下地の木材が傷んでいれば追加
折板屋根のカバー工法
5,000〜8,000円/㎡
工期:面積次第 ※既存屋根の上に重ねる工法
折板屋根の葺き替え
13,000〜18,000円/㎡
工期:数週間 ※下地・断熱材の交換を含む場合
注意したいのは、「保険金が下りる額」と「必要な工事の額」は一致しないことです。認定されるのは台風で壊れた部分だけ。「せっかくだから屋根全体を」となれば差額は自己負担です。また契約によっては、損害額が一定額を超えないと支払われない条件(免責金額など)が付いています。ご自身の保険証券の風災・水災の条件を、被害が出る前に一度確認しておいてください。
※数量・足場の要否・下地の状態で大きく変動します。上記は検討の物差しとし、最終は現地確認のうえお見積りをご確認ください。屋上防水そのものの改修時期については屋上防水の耐用年数と改修のタイミングもあわせてご覧ください。
08
台風後に頼れるのは、写真と報告書を出せる会社
名和建装は1988年の創業以来、名古屋市昭和区を拠点に、工場・店舗・マンション・オフィスビルの営繕・修繕工事を手がけてきた建築工務店です。
台風後の調査で私たちが必ずお渡ししているのが、被害箇所ごとの写真と所見をまとめた調査報告書です。どこが、どのように壊れ、それが今回の風雨によるものか、以前からの劣化かを、写真とあわせて記録します。保険会社へご自身で説明されるときの材料としても、そのままお使いいただけます。
また、応急のシート養生から本復旧まで自社の職人で動けるため、被害の拡大を止めるところから一貫して対応できます。いま止めるべき箇所と、シーズンを越して計画的に直す箇所を切り分けてご提案するのが、私たちの役割だと考えています。
09
よくある質問
Q台風の被害だと、保険会社にはどう伝えればいい?
「いつの台風で、どこが、どうなったか」の3点です。「9月◯日の台風で、東側の軒樋が3mにわたって外れて落下した」というように、日付・場所・現象を具体的に。写真を添えれば、その場で見通しが立つことも多いです。
Q何年も前の台風の被害でも、いまから請求できる?
3年以内であれば可能性があります。保険給付を請求する権利は3年で時効消滅すると定められています(保険法第95条)。ただし年月が経つほど、その後の経年劣化との切り分けが難しくなります。心当たりがあれば早めに保険会社へご相談ください。
Q「経年劣化です」と言われたら、もう打つ手はない?
判断の根拠を確認するところからです。破断面の状態や、被害箇所が風の当たる面に集中しているかなど、風災を裏づける材料が示せる場合もあります。結果として認定されないこともありますが、その場合も「どこまで直せば止まるか」を見積で分けて示してもらってください。
Qテナントで借りている店舗が被害を受けた場合は?
建物本体はオーナー様、什器・内装・商品は借主側、が一般的な分かれ方です。屋根・外壁・共用部の保険は通常オーナー様が契約しています。契約により異なりますので、まずは写真を添えて管理会社・オーナー様へ報告を。借主側の設備・在庫は、ご自身が加入する保険の対象になり得ます。
Qもう修理を済ませてしまった。請求はできない?
写真と見積書・領収書が残っていれば、まず保険会社にご相談ください。修理前の写真が一枚もない場合は判断が難しくなりますが、工事業者が施工前に撮影しているケースもあります。工事を依頼した会社に確認してみてください。
Q「無料で点検します」と訪ねてきた業者に、屋根を見せてもいい?
その場で屋根に上げるのはおすすめしません。撮ってきたという写真が自社の屋根かを確認する手立てがなく、作業中に生じた損傷との区別もつきません。点検を頼むなら、契約している保険会社・代理店に連絡したうえで、ご自身が選んだ会社に依頼してください。
現地調査・お見積り無料
台風のあと、気になる箇所があればご相談ください
「保険の対象になるのかどうか分からない」という段階で結構です。写真付きの調査報告書をお渡しし、いま止めるべき箇所と様子を見てよい箇所を、優先順位を付けてご報告します。名古屋市内をはじめ愛知県全域に伺います。
お電話でのご相談(受付 10:00〜17:00)052-842-1144
名和建装株式会社|愛知県名古屋市昭和区
対応エリア:名古屋市内をはじめ愛知県全域
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