ブログ BLOG
- コラム
2026.09.11
雨漏りの原因は屋根だけじゃない|外壁・シーリングから水が入る5つの経路
秋雨・台風シーズン
屋根を直したのに、
まだ濡れる。
水はどこから来たのか
雨漏りの侵入口は、屋根とはかぎりません。外壁の目地、サッシ廻り、笠木、バルコニー。名古屋・愛知で調査と修繕を行う工務店の立場から、屋根以外から水が入る経路と、その見分け方を整理しました。
雨漏りが最多
打替周期の目安
費用相場
名和建装株式会社 MEIWA KENSOU|名古屋市昭和区・創業1988年
01
統計でも、雨漏りの部位は「屋根、外壁」と併記されている
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住宅相談統計年報2025」(2024年度集計)を見ると、既存住宅についての電話相談のうち戸建住宅では、不具合事象として「雨漏り」が131件・28.4%で最も多いという結果が出ています。次いでひび割れが17.7%、はがれが13.2%。雨漏りは建物の不具合相談で最大の分野です。
注目したいのは、この統計が事象ごとに「当該事象が多くみられる部位」を併記していることです。戸建住宅の雨漏りは「屋根、外壁」。共同住宅等(マンション・アパート等)の雨漏りにいたっては「外壁、屋根、開口部・建具」と、外壁が先に挙がっています。屋根だけを見ていては足りない、ということが公的な集計にも表れています。
住宅相談統計年報2025(2024年度)にみる雨漏り
電話相談のうち不具合部位・事象が判明したものの集計(複数カウント)。母数は既存・戸建462件、既存・共同住宅等335件、リフォーム・戸建3,314件。
名古屋・愛知でご相談をいただく雨漏りも、屋根の葺き替えや屋上防水の改修を終えたあとに「雨の日によっては、まだ天井にしみが出る」という形で持ち込まれることがあります。屋根の工事が失敗したのではなく、はじめから侵入口が別にあった、という筋書きです。
出典:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「統計・資料等」(住宅相談統計年報2025/2024年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析)
02
屋根以外から水が入る5つの経路
建物の外皮で水が入りうるのは、素材そのものより「素材と素材の継ぎ目」です。継ぎ目は地震や温度差、風圧で動きます。その動く場所を埋めているのがシーリング材(コーキング材)で、これが切れると経路ができます。現場でよく突き止める順に5つ挙げます。
① 外壁目地のシーリング
サイディングやALCパネルの継ぎ目。破断・肉やせ・剥離が入口になる
② サッシ廻り
窓の四周と外壁の取合い。統計でも共同住宅の雨漏り部位に開口部・建具が並ぶ
③ 笠木・パラペット天端
屋上の立上りやバルコニー手すり壁の上端。継ぎ目とビス穴から入る
④ バルコニー床と立上り
防水層の端部、排水ドレン廻りの詰まり。あふれた水が室内側へ回る
⑤ 貫通部・設備の取合い
換気フード、エアコンのスリーブ、配管や手すりの支持金物の足元
+ 外壁のひび割れ
モルタルやコンクリートのクラック。幅と貫通の有無で扱いが変わる
外壁目地のシーリングは「切れる前提」の部材
シーリング材は紫外線と熱、目地の伸縮を受け続け、年数が経つと弾力を失って縁から剥がれたり、真ん中で裂けたりします。国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」でも、シーリングは12〜15年周期で「打替」を想定した修繕項目として位置づけられています。外壁塗装やタイル張補修、バルコニー床防水、庇・笠木等防水も同じ12〜15年です。つまり築12年を超えた建物では、これらが同時に寿命を迎えている可能性があります。
見た目でわかるサインは、目地に細かい亀裂が入る、押すと弾力がなく硬い、外壁材との境目にすき間が見える、といったところです。すき間が1本でも通っていれば、そこは風で押し込まれた雨水の入口になります。
サッシ廻りは「窓から漏れている」とはかぎらない
窓の下枠に水がたまるため、サッシそのものの不良を疑われがちな場所です。実際には、サッシと外壁の取合いのシーリング、その内側の防水紙(透湿防水シート)の納まり、窓の上に付く水切り部材の欠損など、周辺に原因があることが多くあります。サッシには風雨に耐える水密性の等級が定められていますが、それは設計上の想定範囲での性能であり、台風時のように想定を超える風圧がかかれば、健全なサッシでも水が入りうるという前提で考える必要があります。
笠木とドレンは、点検されないまま何年も過ぎる
屋上のパラペットやバルコニーの手すり壁の上端を覆う金属笠木は、上を向いている面なので雨をまともに受けます。笠木どうしのジョイント、固定ビスの穴、笠木と外壁の取合いが劣化すると、そこから壁の内部へ水が入り、下の階の天井に出ます。排水ドレンも同様で、落ち葉や土砂で詰まればバルコニーがプール状態になり、防水層の立上りを越えた水が室内側へ回ります。屋上防水の耐用年数と改修時期もあわせてご覧ください。
出典:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)の推定修繕工事項目・修繕周期の例より
03
水は入った場所には出てこない。だから犯人を取り違える
外壁から入った水は、壁の内側の胴縁や柱、梁を伝って横に走り、下に落ち、離れた場所の天井や壁で姿を現します。侵入口が室内のしみより高い位置にあるのは確かですが、真上にあるとはかぎりません。
この「入口と出口のずれ」があるために、しみの真上だけを探して屋根を直し、雨漏りが止まらないという結果になります。原因を絞り込むには、症状が出るときの雨の降り方を手がかりにするのが実際的です。
◇強い風をともなう雨のときだけ出る
外壁・サッシ廻り・貫通部が第一候補です。風圧で水が横向きに押し込まれて初めて経路が成立するため、静かな雨では何も起きません。台風や秋雨前線に南風が重なった日に症状が出るなら、風が当たった面の外壁を重点的に見ます。どの方角の風のときに出たかを記録しておくと、調査の範囲が一気に狭まります。
◇長雨が続いた数日後に、じわりと広がる
屋根や屋上防水、笠木からの浸入で、断熱材や下地に水が溜まってから出てくる型です。降っている最中ではなく、やんだあとに広がることもあります。屋上やバルコニーに水がたまる場所がないか、ドレンが詰まっていないかを先に確認します。
◇短時間の激しい雨のときに出る
排水能力を超えたときに起きるタイプで、雨樋のあふれ、ドレンの詰まり、屋上の排水不良が疑われます。処理しきれない水が越水して、本来水がかからない部分に回り込みます。詰まりの除去だけで止まることもあり、費用のかからない解決になりやすい型です。
◇雨が降っていないのに濡れている
雨漏りではなく、給排水管からの漏水や結露の可能性があります。統計でも共同住宅等では「漏水」が不具合事象の1位で、部位は給水・給湯配管や排水配管です。天井裏の配管、上階の設備、エアコンのドレン管を確認します。原因が違えば、直す相手も変わります。
◇去年濡れた場所が、今年も同じように濡れる
経路がすでに定着している状態です。放置した年数だけ下地の劣化が進み、内装の張り替え範囲も広がります。次の雨を待たずに調査へ進んだほうが、結果として費用は小さく収まります。
応急処置として何をどこまでやるかは、雨漏りの応急処置|最初の1時間でやることにまとめています。水を受ける、電気を止める、記録を残す。この3つを先にしておくと、調査もスムーズです。
04
散水試験は「下から上へ、1か所ずつ」でなければ意味がない
屋根以外の雨漏りを特定する主な方法が散水試験です。実際に水をかけて再現させる直接的な調査ですが、やり方を間違えると原因を取り違えます。
原則は、疑わしい箇所の低い位置から順に、1か所ずつ、時間をかけて散水することです。上から広範囲に水をかけて漏れが出ても、どこから入ったのかは特定できません。低い位置で反応がなければ次を上へ、と進めて初めて入口が絞り込めます。1か所あたり10分から30分の散水を続け、室内側で待機して変化を見ます。半日から1日がかりになるのは、この手順を踏むためです。
主な調査方法と費用の目安
無料〜
劣化状況と症状の聞き取りから当たりをつける。ここで判断がつく場合もある
5万〜20万円程度
1日あたりの料金設定が一般的。1日で特定できないと追加費用が生じる場合がある
20万〜30万円程度
温度差から水の広がりを推定する。壁を壊さず、足場なしで見られる範囲が広い
12万〜25万円程度
複数経路が疑われるとき、色を変えた液で経路を区別できる
いずれも一般的な市場相場の目安(2026年9月7日時点)です。建物の規模・階数・足場の要否で変わります。
調査で大切なのは、費用の多寡より結果が書面で残るかです。どこに散水して何分後に室内のどこが濡れたか、写真と時刻とともに記録された報告書があれば、修繕範囲の根拠になり、火災保険や管理組合への説明資料にもなります。台風など自然災害による被害なら保険の対象になる場合があり、その判断材料にもなります。詳しくは火災保険で直せる被害の見分け方をご覧ください。
05
修繕の費用相場と、足場を組むなら一緒にやるべき工事
原因が特定できれば、修繕そのものは大がかりとはかぎりません。外壁目地なら、既存のシーリング材を撤去して充填し直す「打替」が基本です。上から重ねる「増し打ち」は安く済みますが、劣化した材を残すため、サイディングの目地では密着不良を起こしやすく、雨漏りを止める目的では選びにくくなります。
一般的な市場相場の目安(2026年9月7日時点)。既存シーリングの撤去費が別計上となる場合や、足場費用が別途必要な場合があります。
ここで判断が必要になるのが足場です。2階以上の外壁やサッシ廻りを直すには足場が要り、その費用は工事の内容にかかわらずほぼ一定でかかります。足場を組む機会は、まとめてやるための機会でもあります。国のガイドラインでは外壁塗装・シーリング・タイル張補修・バルコニー床防水・庇や笠木の防水が、いずれも12〜15年という近い周期です。雨漏り修繕で足場を組むなら、同時期に寿命を迎える工事もあわせて検討したほうが、10年単位で見た支出は抑えられます。
逆に、原因がドレンの詰まりや貫通部の1か所だけと判明した場合は、部分補修で終わります。数万円で収まることも実際にあります。だからこそ、修繕の前に調査なのです。
金額はいずれも一般的な市場相場の目安であり、建物の形状・目地の総延長・使用する材料・足場の要否で変わります。最終的には現地確認のうえでのお見積りになります。
06
「とりあえずコーキングを打っておきました」で終わらせない
雨漏りの相談でよく耳にするのが、業者に怪しい箇所へシーリングを打ってもらったが次の台風でまた漏れた、という経過です。原因を特定しないまま塞ぐと、二つの問題が起きます。ひとつは本当の入口が残ること。もうひとつは、水の抜け道まで塞いでしまうことです。
外壁には、入った水を外へ逃がすための隙間や水切りが設けられています。サッシ下部の水抜き穴もその一つです。そこを塞ぐと、壁の中に入った水が出られなくなり、被害が広がります。塞ぐべき場所と、開けておくべき場所がある。この区別ができているかどうかが、業者を見るときの一つの物差しになります。
◯ 依頼先を選ぶときに確認したいこと
・調査の方法と手順を先に説明できるか
・報告書や写真で結果を残してくれるか
・見積が部位・数量・単価に分かれているか
・直したあと再発したときの対応を明示しているか
× 立ち止まったほうがよい進め方
・調査をせずに屋根の葺き替えを提案される
・「雨漏り補修一式」だけの見積
・水抜き穴まで含めて全周をシーリングで塞ぐ
・その場で契約を迫られる
見積書は、部位ごとに数量と単価が並んでいるかを確かめてください。「一式」でまとめられていると、どこを直す工事なのかをあとから検証できません。金額の妥当性以前に、中身が読み取れる書類かどうかが先です。
07
調査から修繕まで自社で完結する。名和建装の雨漏り対応
名和建装は1988年創業、名古屋市昭和区の工務店です。塗装・防水を主力としながら、内装や設備までを自社で手配するため、雨漏りのように原因の特定と修繕、そのあとの内装復旧までが一続きになる工事を、窓口をまたがずに進められます。天井を開けて調べる必要が出たとき、開けたあとを直す職人まで同じ会社にいることは、雨漏りの現場では実務的な意味を持ちます。
散水試験を行った場合は、散水の位置と時刻、室内側の変化を写真とともに記録した調査報告書をお渡ししています。管理会社や保険会社へ説明する場面、管理組合で修繕の議案を諮る場面で、そのまま資料としてお使いいただけます。
建物の用途によって優先すべきことも変わります。営業を止められない店舗なら夜間や定休日の作業、入居者のいる物件なら周知と動線の確保が先に来ます。日常の営繕・修繕で短工期の工事を回している体制は、こうした調整にそのまま使えます。
08
外壁からの雨漏りについてよくある質問
Q外壁が原因の雨漏りかどうか、自分で見分けられますか?
完全な特定は難しいものの、手がかりは残せます。症状が出た日の雨の降り方と風向きを記録することが最も有効です。強い風をともなう雨のときだけ出るなら外壁・サッシ廻りが、長雨のあとに出るなら屋根や防水層が疑われます。加えて、外壁の目地に亀裂やすき間がないか、サッシの四周に切れた跡がないかを地上から見える範囲で確認しておくと、調査の初動が早くなります。
Qシーリングの打ち替えだけで雨漏りは止まりますか?
侵入口がシーリングの破断だけであれば止まります。ただし、外壁材そのものの割れ、防水紙の破れ、笠木や貫通部といった別経路が併存している場合、シーリングを直しても症状は残ります。複数の経路が同時に存在することは実際にあり、これが「直したはずなのに止まらない」の主な理由です。だからこそ、打ち替えの前に散水試験などで入口を確定させます。
Q雨漏りを放置すると、どのくらいで建物に影響が出ますか?
明確な年数はありませんが、木造では下地の腐朽やカビ、鉄骨・鉄筋コンクリート造では鉄部の腐食が進み、断熱材が濡れれば断熱性能も落ちます。天井や壁のしみとして見えている段階で、内部はすでに濡れています。内装の復旧まで含めた総額は、早く手を打つほど小さくなります。
Q築何年くらいから、外壁からの雨漏りに注意が必要ですか?
国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでは、シーリングの打替や外壁塗装、バルコニー床防水などの修繕周期を12〜15年としています。この時期を超えた建物では、複数の部位が同時に寿命に達している可能性があります。ただし周期はあくまで計画上の目安で、日当たりや風当たり、海からの距離によって劣化速度は変わります。実際の状態は目視の点検で判断します。
Q賃貸物件で入居者から雨漏りの連絡を受けました。何から進めますか?
被害の拡大を止める応急処置と、状況の記録が先です。濡れている範囲、天井や壁のしみの位置、発生した日時と天候を写真で残してください。そのうえで原因調査に進みます。原状回復や内装の復旧が必要になる場合、記録が入居者・管理会社・オーナーの三者で共有できる根拠になります。漏電のおそれがある場合は、その区画の電気を止める判断も必要です。
現地調査・お見積り無料
「どこから入っているのか」から、お調べします
屋根を直しても止まらない、去年と同じ場所がまた濡れる。そうした雨漏りこそ、外壁・サッシ・笠木の可能性があります。まずは症状のご相談だけでも構いません。名古屋市内をはじめ愛知県全域へお伺いします。
お電話でのご相談(受付 10:00〜17:00)052-842-1144
名和建装株式会社|愛知県名古屋市昭和区
対応エリア:名古屋市内をはじめ愛知県全域
「外壁からの雨漏りのページを見た」とお伝えいただくとスムーズです