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2026.09.04

【第20回】持続化補助金で店舗改装はできる?締切と対象工事の線引き

第20回・2026年度

持続化補助金で
店舗改装
どこまでできる?

申請受付の開始は11月5日、締切は12月15日17時。ただし実際に工事ができるのは2027年春以降です。名古屋・愛知の店舗オーナー向けに、施工する側から線引きを整理しました。

12/15申請受付締切 17:00
50万円補助上限(通常枠)
2/3補助率

締切からの逆算スケジュールを見る9月・10月にやることが決まります

名和建装株式会社 MEIWA KENSOU|名古屋市昭和区・創業1988年

01

店舗改装は対象になる。ただし「直すための工事」は通らない

小規模事業者持続化補助金は、店舗の改装工事に使えます。公募要領の補助対象経費に「⑧委託・外注費」があり、その説明のなかに「店舗改装において50万円(税抜き)以上の外注工事を行う場合」という一文が実際に書かれているからです。看板の製作・設置も「②広報費」の対象例に挙がっています。

問題は、どんな改装でも通るわけではないことです。この補助金の目的は販路開拓、つまり「売上を増やすための取り組み」の支援であって、傷んだ建物を直すための制度ではありません。同じ内装工事でも、経営計画のなかでどう位置づけるかで結果が変わります。

🏪

改装は委託・外注費

店舗の改装工事は⑧委託・外注費で計上する

🪧

看板は広報費で30万円まで

看板作成・設置は②広報費。上限30万円・単独申請は不可

🚫

修繕・原状回復は対象外

販路開拓につながらない工事は補助対象にならない

📅

着工は2027年春以降

交付決定日より前に発注・着工すると対象外になる

出典:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)の公募要領を公開しました」小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>公式サイト(2026年8月31日時点)

02

第20回の締切は12月15日。ただし本当の締切は12月4日です

申請受付の締切は2026年12月15日(火)17時。しかし、その前に地域の商工会・商工会議所から事業支援計画書(様式4)を発行してもらう必要があり、その発行受付締切は12月4日(金)です。公募要領には「受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできません」と明記されています。

様式4は、窓口に行けばその場でもらえる書類ではありません。経営計画(様式2・様式3)を先に書き上げ、担当者に内容を確認してもらったうえで発行されます。11月に相談を始めると、書き直しの時間がありません。工事を伴う申請なら、概算の見積を用意する期間も要ります。だから9月・10月に動くことになります。

第20回・全体スケジュール

2026年
9〜10月

準備期間(公募要領に定めなし)

経営計画づくり・商工会議所への相談・工事の概算見積の取得

11月5日
(木)

申請受付開始

電子申請システムのみ。郵送申請は受け付けられません

12月4日
(金)

事業支援計画書(様式4)発行受付締切

この日を過ぎると、理由を問わず発行されません

12月15日
(火)

申請受付締切(17:00)

GビズIDプライムのアカウントが事前に必要です

2027年
3月頃

採択発表(予定)

採択後、価格の妥当性を証明できる見積書等を提出します

採択から
1〜2か月

交付決定 = ここから着工できる

交付決定日より前に発生した経費は補助対象外です

2028年
3月31日

補助事業実施期限

この日までに工事を終え、支払いも完了している必要があります

つまり、今から申請しても工事の着工は2027年春以降になります。年内に直したい雨漏りや、繁忙期前に間に合わせたい改装には使えません。急ぎの工事と補助金を使う工事は、はじめから分けて考えるのが現実的です。急ぎの分は営繕・修繕として先に手当てし、売上を作るための改装だけを補助金に乗せる、という組み立て方になります。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>(商工会議所地区)GビズID(2026年8月31日時点)

03

対象経費は8区分。工事会社が関わるのはこの3つ

第20回の補助対象経費は、①機械装置等費/②広報費/③ウェブサイト関連費/④展示会等出展費/⑤旅費/⑥新商品開発費/⑦借料/⑧委託・外注費の8区分です。この8つ以外は対象になりません。建物や設備に関わるのは、このうち3つです。

⑧ 委託・外注費 | 店舗の改装工事

①〜⑦に当てはまらない経費のうち、補助事業に必要な業務の一部を第三者に委託・外注するための費用です。自ら実行することが困難な業務に限るという条件があり、委託内容と金額を明記した契約書等が必要になります。内装のレイアウト変更、外装のリニューアル、設備の据付を伴う工事などが、ここに入ります。

② 広報費 | 看板の作成・設置

対象経費例に「看板作成・設置」が挙げられています。ただし補助金交付申請額の上限は30万円(税込)で、広報費だけでの申請はできません。さらに、商品・サービスの名称や宣伝文句、事業者名が入っていない看板は「単なる会社のPR」とみなされ対象外です。社名だけの表示板は通らない、と考えてください。

① 機械装置等費 | 厨房機器・製造設備など

補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入費です。ここで効いてくるのが「単なる取替え更新の機械装置等の購入は補助対象外」という一文。古くなった空調や厨房機器を同等品に入れ替えるだけでは通りません。また発注総額が1件あたり50万円(税込)を超える場合は、2者以上からの見積が求められます。

ウェブサイト関連費(③)も上限30万円・単独申請不可という同じ制約があります。改装と同時にホームページを作り直したい場合は、③と②で合計60万円までが上限になる点を、予算配分の段階で押さえておくと計画が立てやすくなります。

04

通る店舗改装と通らない店舗改装の分かれ目

補助対象事業の要件には「策定した経営計画に基づいて実施する、販路開拓等のための取組であること」とあります。あわせて、補助対象外となる事業として「本事業の終了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業」が挙げられています。判定はこの2点でほぼ決まります。

◯ 説明が立ちやすい改装

・新しい客層を取り込むためのレイアウト変更
・テイクアウトや物販の導線を新設する工事
・バリアフリー化で来店できる人を広げる工事
・新サービスを提供するための区画の造作

× 説明が立ちにくい改装

・傷んだ箇所を元に戻すだけの修繕
・退去に伴う原状回復工事
・同等品への単なる取替え更新
・売上との結びつきを説明できない外装工事

50万円以上の改装工事には「処分制限」が付く

見落とされやすいのが、公募要領の委託・外注費に書かれた次の条件です。店舗改装で50万円(税抜き)以上の外注工事を行う場合などは「処分制限財産」に該当し、補助事業が終わって補助金を受け取った後でも、一定期間は処分(補助事業目的外での使用、譲渡、担保提供、廃棄など)が制限されます。処分するには事務局の承認が必要で、承認を得ずに処分すると交付取消・返還命令の対象になります。

賃借している店舗で数年内の移転や退去が視野に入っているなら、この点は事前に確認しておくべきところです。工事の規模を決める前に、事務局や商工会議所へ相談してください。

そもそも申請できるのは「小規模事業者」だけ

従業員数の基準は業種で分かれます。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。この人数には、会社役員と同居の親族従業員は含まれません。また、国の他の補助金と同一・類似内容の事業に重ねて使うことはできません。愛知県・名古屋市の制度と併用を考えている場合は、地域の補助金の要件とあわせて、双方の事務局へ事前に確認しておくのが安全です。

05

いくらの工事で上限に届くか。費用相場から逆算する

補助率は3分の2、補助上限は50万円です。そこにインボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方の要件を満たせば200万円が上乗せされます。補助率から逆算すると、補助対象経費がいくらあれば上限に届くかが計算できます。

適用する特例
補助上限
満額に必要な経費
なし(通常枠)
50万円
75万円
インボイス特例
100万円
150万円
賃金引上げ特例
200万円
300万円
両特例
250万円
375万円

「満額に必要な経費」は補助率3分の2から計算した理論値です。実際の交付額は審査と実績報告により確定します。

一方、店舗改装そのものの市場相場はどうか。一般的な目安として、居抜き物件の改装は坪あたり30万〜70万円程度、スケルトンからの造作は坪あたり60万〜100万円程度、商業施設内テナントの内装工事は坪あたり30万〜80万円程度とされています。看板は袖看板で10万〜40万円程度、ファサード看板で15万〜80万円程度が製作・設置込みの目安です。

10坪の店舗を居抜きで改装すると、それだけで300万〜700万円の規模になります。通常枠の上限50万円は、工事のごく一部にしか届きません。補助金を当てにして工事の規模を決めるのではなく、やるべき改装を先に固め、そのうち販路開拓として説明できる部分を補助対象経費として切り出す。この順番のほうが、計画も見積も破綻しません。

なお金額はいずれも一般的な市場相場の目安であり、建物の状態・業態・施工範囲で大きく変わります。最終的には現地確認のうえでのお見積りになります。閑散期を使った短工期の改装については店舗改装の工程と発注時期の記事もあわせてご覧ください。

06

「一式」だけの見積書では、採択されても先へ進めない

公募要領には、採択発表後から交付決定までの間に「経費の価格の妥当性を証明できる見積書等(相見積含む)の提出が必要」で、「支出内容が不明確なものは認められません」「見積金額に複数の項目が含まれる場合は、その内訳を示してください」と書かれています。ここが工事会社選びに直結します。

内装工事の見積は「内装工事一式」でまとめられることがあります。事業者どうしの取引ではそれで通っても、補助金の審査では通りません。解体、下地、内装仕上げ、電気、給排水、設備据付、といった単位で数量と単価に分かれていて、はじめて妥当性を確認できる書類になります。

工事会社に9月・10月の段階で伝えておくこと

申請の前に概算見積が要る、採択後に内訳付きの正式見積が要る、着工は交付決定後になる。この3点を最初に共有しておけば、工事会社側も書類の作り方と工程の押さえ方を合わせられます。逆に、これを伝えないまま話を進めると、採択後に見積を作り直すことになり、交付決定までの限られた期間を消耗します。

補助金を使うか使わないかにかかわらず、内訳の出る見積は施主にとって比較の物差しになります。補助金の申請は、その見積書を要求する良い口実でもあります。

07

内訳の出る見積と、交付決定待ちの工程調整。名和建装の関わり方

名和建装は1988年創業、名古屋市昭和区の工務店です。塗装・防水から内装、電気、設備の据付までを自社で一貫して手配するため、店舗改装のように複数工種がからむ工事でも、工種ごとに数量と単価を分けた見積をそのままお出しできます。補助金の申請で求められる「支出内容が明確な見積書」は、特別に作るものではなく、普段の見積の形そのままです。

もうひとつ、補助金を使う工事に特有の事情が工程です。交付決定が下りるまで着工できないため、採択発表から交付決定までの1〜2か月をどう待ち、決定後にどれだけ早く動けるかが問われます。設計や色決め、建材の手配といった着工前に済ませられる作業を先に進めておき、決定と同時に現場を動かす。この段取りは、営繕で日常的に短工期の工事を回している会社のほうが組みやすい部分です。

なお、名和建装は補助金の申請代行は行いません。経営計画の作成と様式4の発行は、地域の商工会・商工会議所が支援する仕組みになっています。私たちがお手伝いできるのは、工事の内容を決めること、根拠のある見積を出すこと、決まったスケジュールに工程を合わせることです。

08

持続化補助金と店舗改装についてよくある質問

Q先に工事を始めて、あとから申請することはできますか?

できません。補助対象となる経費の条件に「交付決定日以降に発生し補助事業期間中に支払が完了した経費」とあります。交付決定より前に発注・着工・支払いをした工事は対象外です。第20回で申請する場合、採択発表が2027年3月頃、そこから交付決定まで概ね1〜2か月かかるため、着工できるのは2027年春以降になります。

Q外壁の塗り替えや屋上防水の改修にも使えますか?

劣化を直すことが目的の工事は、この補助金の趣旨に合いません。補助対象は経営計画に基づく販路開拓等の取組で、事業終了後おおむね1年以内に売上につながることが見込まれる必要があります。外壁の塗り替えそのものは維持管理であり、売上増加との結びつきを説明しにくい工事です。店舗の外観を変えて新しい客層を狙うといった位置づけができるかどうかは、経営計画の中身次第になりますので、商工会・商工会議所へ具体的にご相談ください。

Q看板だけを作りたいのですが、申請できますか?

看板だけでは申請できません。看板の作成・設置は②広報費に当たりますが、公募要領は「広報費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」としています。補助金交付申請額の上限も30万円(税込)です。また、商品・サービスの名称や宣伝文句、事業者名が入っていない看板は、単なる会社のPRとして対象外になります。

Q賃貸の店舗でも対象になりますか。退去するときはどうなりますか?

賃貸か自己所有かで対象が分かれる規定はありませんが、処分制限に注意が必要です。店舗改装で50万円(税抜き)以上の外注工事を行う場合などは処分制限財産に該当し、補助金の支払を受けた後も一定期間、事務局の承認なく処分できません。移転や退去の予定がある場合は、申請前に事務局・商工会議所へ確認してください。なお賃借料そのもの(事務所等の家賃)は補助対象外です。

Q今回の第20回を逃したら、次はいつ申請できますか?

次回の公募は未定です。第20回の公募要領には「今後の公募予定:第20回公募申請受付締切以降に追ってご案内します」と記載されており、2026年8月31日時点で次回の日程は公表されていません。予定を前提に工事計画を組むのは避け、公式サイトの案内をご確認ください。

現地調査・お見積り無料

申請の前に、工事の中身と金額を固めましょう

どこまでを改装するか、いくらかかるか。ここが決まらないと経営計画も書けません。概算のご相談だけでも構いません。工種ごとに内訳を分けたお見積りをお出しします。

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© MEIWA KENSOU Co., Ltd. ※本ページの情報は公開時点のものです
出典:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)の公募要領を公開しました」/小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>公募要領(第20回)/同 公式サイト(商工会地区・商工会議所地区)/GビズID公式サイト/制度情報は2026年8月31日時点。工事費用は市場相場の目安(2026年8月31日時点)
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