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2026.09.18

【営繕担当向け】塗装・防水の劣化サインと発注タイミング|予算化の判断基準

営繕担当者向け

塗装・防水は、
劣化サイン
発注の時期を決める

外壁のひび、屋上の膨れ、階段のサビ。気づいたとき「今年度中に直すのか、来年度の予算に回すのか」を決めるのが営繕担当者の仕事です。名古屋・愛知で塗装と防水を手がける工務店の立場から、劣化サインの読み方と、予算化から発注までの段取りをまとめました。

12〜15年外壁塗装・防水の
修繕周期の例
5〜7年鉄部塗装の
塗替周期の例
3段階劣化サインの
仕分け方

劣化サインの仕分け表を見るすぐ手配/来年度予算/次の足場で

名和建装株式会社 MEIWA KENSOU|名古屋市昭和区・創業1988年

01

営繕の塗装・防水工事は「壊れてから」では予算が間に合わない

個人の住まいなら、気になった時点で見積を取り、その場で決められます。法人の建物はそうはいきません。工事費は年度の修繕予算から出るため、翌年度に塗り替えや防水改修をするなら、今年度のうちに金額の根拠をそろえて予算に載せておく必要があります。4月始まりの会計年度なら、翌年度の予算を取りまとめるのは秋から冬にかけて、という会社が多いはずです。

この段取りを外すと、二つのことが起きます。ひとつは、予算がないまま劣化が進み、雨漏りなどの被害が出てから予備費で緊急工事をすること。緊急工事は範囲も業者も選ぶ余裕がなく、割高になりがちです。もうひとつは、まだ持つ部位まで一度に直してしまい、予算を使いすぎることです。

どちらも防ぐ手がかりが、建物に出ている劣化サインです。サインを見て「すぐ直す」「来年度に回す」「次に足場を組むときに一緒にやる」の3つに仕分けできれば、予算の組み方がはっきりします。

02

国の目安では、外壁塗装と防水は12〜15年、鉄部は5〜7年

劣化サインを読む前に、物差しとなる周期を押さえておきます。国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」には、部位ごとの修繕周期の例が示されています。マンション向けの資料ですが、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の事務所・店舗・工場でも、計画を立てるときの参考になります。

修繕周期の例(長期修繕計画作成ガイドラインより抜粋)

部位
工事
周期の例
外壁塗装
塗替
12〜15年
外壁塗装
除去・塗装
24〜30年
屋上防水(露出)
補修・修繕
12〜15年
屋上防水(露出)
撤去・新設
24〜30年
庇・笠木等防水/バルコニー床防水
修繕
12〜15年
シーリング
打替
12〜15年
鉄部塗装(階段・手すり・扉など)
塗替
5〜7年

読み取れるのは、外壁・屋上・笠木・シーリングがほぼ同じ時期に寿命を迎えることと、鉄部だけが倍の速さで回ってくることです。前者は足場を組む一度の工事にまとめやすく、後者は外壁の周期のあいだにもう一度塗り替えが入る、という前提で予算を組みます。

塗料の種類でも持ちは変わります。文部科学省の学校施設向け資料では、塗膜の美観上の耐用年数をアクリル系6〜7年、ウレタン系8〜10年、シリコン系12〜15年、フッ素系15〜20年としています。前回の工事でどの塗料を使ったかがわかれば、周期の見当はより正確になります。

出典:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)の修繕周期の例/文部科学省「学校施設の長寿命化改修の手引」外壁・屋上の老朽化対策

03

劣化サインは「すぐ手配」「来年度予算」「次の足場で」に仕分ける

周期はあくまで計画上の目安で、日当たりや風当たり、前回の施工品質によって実際の傷み方は変わります。最終的な判断材料は、目の前の建物に出ているサインです。判断の軸は二つだけ。人や財産に被害が出ているか、出るおそれがあるか。そして建物を保護する機能が失われ始めているかです。

すぐ手配する(今年度中)

・室内に雨じみ・漏水が出ている
・タイルやモルタルが浮いている、落ちた
・防水シートの継ぎ目がめくれている
・鉄部に穴があいた、手すりがぐらつく

来年度の予算に載せる

・外壁を触ると手に白い粉がつく
・塗膜のひび割れや浮きが出てきた
・屋上防水の膨れ、表面のひび
・シーリングの肉やせ、すき間
・鉄部の点サビ、塗膜の剥がれ

次に足場を組むときに

・色あせだけで、粉は出ていない
・雨筋の汚れ、北面の藻やコケ
・軒天の軽い汚れ
・機能に影響のない美観上の傷み

部位ごとの見分け方を、タップで開けるチェックリストにしました。点検のときに建物を回りながら使ってください。

外壁を手でなでると、白い粉がつく(チョーキング)

✅ 判定:来年度予算
紫外線や雨で塗膜の樹脂が分解し、顔料が粉になって表に出ている状態です。文部科学省の資料でも、塗り直し時期の目安としてチョーキングが生じた段階が挙げられています。まだ雨漏りには直結しませんが、ここから先は塗膜の保護機能が落ちていく一方です。

外壁にひびがある

✅ 判定:髪の毛ほどの細いひびなら来年度予算/幅が広い、段差がある、サビ色の汁が出ているなら早めに調査
塗膜の表面だけのひびと、下地のコンクリートやモルタルまで達しているひびは扱いが違います。サビ色の汁は、中の鉄筋に水が届いているサインです。長さと位置を写真に残し、次に見たとき伸びていないかを比べます。

タイルやモルタルが浮いている、欠けて落ちている

✅ 判定:すぐ手配
落下すれば通行人に危害が及ぶ、最も優先度の高いサインです。道路や出入口に面した壁なら、真下を立入禁止にするなどの安全措置を先に取ります。浮きの範囲によって、樹脂注入やピンで留める部分補修から、張替え・はく落防止の工法まで対応が分かれます。

屋上の防水層が膨れている、表面がひび割れている

✅ 判定:来年度予算/破れ・めくれがあればすぐ手配
膨れは下地の水分が熱で気化して防水層を押し上げたもの、表面のひびは保護塗装(トップコート)の劣化です。どちらも防水層そのものが切れていなければ、すぐ漏れるわけではありません。ただしシートの継ぎ目がめくれている、膨れが破れているなら、水の入口ができています。工法ごとの耐用年数は屋上防水の耐用年数と改修時期で解説しています。

屋上やバルコニーに、雨のあと水たまりが残る

✅ 判定:ドレンの詰まりならすぐ清掃/勾配不良なら来年度予算
まず排水口(ドレン)に落ち葉や土砂が溜まっていないかを見ます。詰まりの除去だけで解決することも多く、費用はほとんどかかりません。清掃しても水が引かない場合は、下地の勾配が足りないか沈んでいる可能性があり、防水改修のときに一緒に直す対象になります。

外壁の目地やサッシ廻りのシーリングが痩せている、切れている

✅ 判定:来年度予算/室内にしみがあればすぐ手配
シーリングは継ぎ目の動きを受け止める部材で、弾力を失うと縁から剥がれたり、真ん中で裂けたりします。すき間が通っていれば雨水の入口になります。屋根以外から水が入る経路は外壁・シーリングから水が入る5つの経路にまとめています。

階段・手すり・扉など鉄部にサビが出ている

✅ 判定:点サビなら来年度予算/腐食で穴があく、ぐらつくならすぐ手配
表面の点サビの段階なら、サビを落として錆止めと上塗りをする塗り替えで済みます。放置して鋼材が痩せると、塗装では直らず部材の交換になり、費用も工期も一段上がります。人が体重を預ける手すりや屋外階段は、安全面からも優先して見てください。

色あせ、雨筋の汚れ、北面の藻やコケだけが目立つ

✅ 判定:次に足場を組むときに
見た目は気になりますが、それだけでは保護機能が失われたとはいえません。店舗など美観が売上に響く建物なら洗浄だけ先に行う選択もあります。チョーキングやひびが同時に出ていないかは、あわせて確認してください。

04

予算に載せるときは「写真・数量・前回工事の年」をそろえる

来年度の予算に載せると決めたら、社内で説明できる根拠を用意します。稟議や予算会議で通りやすいのは、次の3点がそろった資料です。

1

劣化の写真

建物全景と近景をセットで。ひびには定規やメジャーを当てて大きさがわかるように撮る

2

数量の入った見積

外壁面積や防水面積、シーリングの延長。「一式」ではなく数量と単価で比べられる形にする

3

前回工事の年

竣工年か前回の改修年。02章の周期と照らすと「なぜ今か」を一行で説明できる

定期報告の対象建物は、外壁調査の時期も予定に入れる

一定の用途・規模の建物は、建築基準法第12条にもとづく定期報告の対象です。国土交通省の告示では、タイル張り・石張り・モルタル等の外壁について、おおむね6か月から3年以内に一度は手の届く範囲を打診等で調べ、おおむね10年に一度は、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的に打診等で確認することとされています。無人航空機(ドローン)による赤外線調査で、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を持つものも認められています。

全面的な調査は足場や高所作業車が必要になることが多く、それ自体がまとまった費用です。調査の年と外壁改修の年が近いなら、同じ年度にそろえて段取りを組むと無駄が減ります。自社の建物が対象かどうか、報告の時期はいつかは、所管の行政庁(名古屋市内なら名古屋市)の案内で確認してください。

出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」名古屋市「建築基準法に基づく定期報告制度について」(いずれも2026年9月14日時点で確認)

05

塗装・防水工事の費用相場と、足場で束ねる考え方

予算を置くための物差しとして、主な工事の市場相場を並べます。工事費は「㎡あたりの単価×数量」に、足場などの共通費が乗る形で決まります。

工事
市場相場の目安
足場の架設・解体
700〜1,100円/㎡
外壁の中塗り・上塗り(シリコン)
2,300〜3,500円/㎡
外壁の中塗り・上塗り(フッ素)
3,500〜5,000円/㎡
シーリング打替
900〜1,500円/m
屋上防水(ウレタン)
5,000〜8,000円/㎡
屋上防水(シート)
4,000〜7,500円/㎡
鉄部塗装(ケレン・錆止め・上塗り)
2,500〜4,500円/㎡

いずれも一般的な市場相場の目安(2026年9月14日時点・Web上で公開されている複数業者の価格帯より)。下地の状態、塗料の製品、建物の高さや形状で変わります。形の複雑な階段や細い手すりは、平らな面より手間がかかるため単価が上がります。

足場が要る工事は束ね、要らない工事は切り離す

足場は、組んだ回数だけ費用がかかります。外壁塗装・シーリング・笠木の防水・高所の鉄部はどれも足場を使い、周期も12〜15年でそろっています。このうちどれか一つで足場を組むなら、ほかの部位も同じ年度に直せないかを必ず検討する。これが10年単位で支出を抑えるいちばん確かな方法です。

一方、地上から手の届く鉄骨階段や扉、屋上に歩いて上がれる建物の防水は、足場なしで工事ができる場合があります。鉄部のように周期の短いものは、外壁の大規模な工事を待たずに単独で回したほうが、傷みを進めずに済みます。

屋上防水は、部分的に直してもほかの箇所で防水層が切れて漏れる可能性があるため、長く持たせる目的なら全面的な改修が有効、というのが文部科学省の手引の考え方です。予算の都合で部分補修を選ぶ場合も、それが次の全面改修までのつなぎであることを社内で共有しておくと、後の説明が楽になります。金額はいずれも目安であり、最終的には現地確認のうえでのお見積りになります。

06

秋に点検、冬に予算化、春に発注。塗装・防水の年間の段取り

4月始まりの会計年度で、翌年度に塗装や防水の工事をする場合の流れを例に示します。決算期が違う会社は、予算の締切から逆算して読み替えてください。

9〜11月

点検と劣化サインの記録

台風や秋雨のあとは傷みが表に出やすい時期。03章のチェックリストで仕分け、写真を残す

10〜12月

現地調査と見積の取得

数量の入った見積をもらい、足場で束ねる範囲と単独で回す範囲を決める

1〜3月

予算化・稟議

写真・数量・前回工事の年をそろえて申請。今年度中に直す「すぐ手配」の案件はここを待たない

4月以降

発注と工程の調整

営業日や繁忙期を避けた工期を組み、テナント・従業員・近隣への周知を行う

塗装は気温や湿度の条件がそろわないと施工できないため、いつ工事をするかは季節の影響も受けます。名古屋の気候でどの時期が向いているかは、外壁塗装は秋がベストシーズン|名古屋の狙い目で詳しく書いています。秋は塗装工事の依頼が集中する時期でもあるので、秋に施工したいなら、発注は夏までに済ませておくのが安全です。

「すぐ手配」に当たる雨漏りが起きた場合の初動は、雨漏りの応急処置|営繕担当者が最初の1時間でやることを参考にしてください。

07

点検から予算資料、工事まで一つの窓口で。名和建装の営繕

名和建装は1988年創業、名古屋市昭和区の工務店です。塗装・防水を主力に、内装や設備までを自社で手配しています。外壁と屋上と鉄部を別々の業者に頼むと、足場の共用や工程のすり合わせを営繕担当者が引き受けることになりますが、一つの会社でまとめて見られるので、「この足場でどこまでやるか」を一緒に組み立てられます

現地調査では劣化の状況を写真付きで整理し、数量と単価に分けた見積とあわせてお渡しします。社内の予算会議や稟議にそのままお使いいただける形を意識しています。今年度すぐ直す部分と、来年度に回してよい部分を分けたご提案も可能です。

営業中の店舗や稼働中の工場では、定休日や夜間の施工にも対応します(内容により1〜2割程度の割増が目安です)。日常の小さな修繕も含めた営繕・修繕サービスもご覧ください。

08

塗装・防水の発注タイミングについてよくある質問

Q外壁塗装と屋上防水、予算が限られるならどちらを先にやるべきですか?

雨漏りに直結しやすいのは屋上防水です。防水層の破れやめくれがある、室内にしみが出ているなら防水を優先します。外壁側にタイルの浮きなど落下のおそれがあるサインが出ている場合は、安全面からそちらが先です。どちらも「来年度予算」の段階なら、足場を共用できる外壁・笠木・シーリングと一緒に計画できるかを検討すると、総額を抑えやすくなります。

Q修繕周期の12〜15年は、工場や店舗にも当てはまりますか?

国土交通省のガイドラインはマンションを想定した資料ですが、外壁塗装や防水の材料と工法は建物の用途で大きく変わらないため、計画の目安として使えます。ただし工場の折板屋根や、薬品・熱・振動を受ける環境など、条件によって傷み方は早まります。周期は予算を組むための物差しとし、実際の時期は劣化サインで判断してください。

Q築10年未満でも劣化サインが出ることはありますか?

あります。日当たりや風雨を強く受ける面、使われた塗料のグレード、下地の処理によって、周期より早くチョーキングやシーリングの切れが出ることがあります。反対に条件がよければ周期を超えて持つこともあります。年数だけで判断せず、年に一度は建物を一周してサインを確認するのが確実です。

Q屋上防水は、傷んだところだけ部分補修してもよいですか?

一時的な止水としては有効です。ただし文部科学省の手引でも、部分的に直してもほかの箇所で防水層が切れて雨漏りが起きる可能性があるため、長寿命化を目的とするなら全面的な改修が有効とされています。部分補修で年度をつなぎ、全面改修を翌年度以降の予算に載せる、という二段構えが現実的です。

Q定期報告の外壁調査で指摘を受けたら、どう進めればよいですか?

報告書に記載された不具合の位置と内容を確認し、落下の危険があるものは安全措置と補修を先に行います。浮きの範囲が広い場合は、部分補修で済むのか、張替えやはく落防止の工法が必要なのかを施工会社に調査してもらい、今年度の対応と来年度の改修に分けて計画します。報告書の写真や図面は、そのまま見積の範囲を決める資料になります。

現地調査・お見積り無料

「今年やるか、来年度に回すか」を、一緒に仕分けます

外壁、屋上、鉄部を一度に見て、すぐ直す部分と予算に載せる部分を分けてご提案します。予算会議に使える写真付きの資料もご用意します。名古屋市内をはじめ愛知県全域へお伺いします。

お電話でのご相談(受付 10:00〜17:00)052-842-1144

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対応エリア:名古屋市内をはじめ愛知県全域
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出典:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)/国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」/名古屋市「建築基準法に基づく定期報告制度について」/文部科学省「学校施設の長寿命化改修の手引」/工事費用は一般的な市場相場の目安(2026年9月14日時点)
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